強化週間②

 

 

 

 

3月になりました

 

今月から今年のイベント、展示会などが続々と加速していきます

 

作品も、私自身も、表へ露出する機会が多くなるのは例年春先からなんです

 

 

 

 

 

 

前回の続きを

 

 

あれから数日後、再び都入りした私たち

 

今回はアイスランドミュージシャン、Sigur Rosのコンサートへ

 

ライブでなくコンサートとしているのは、初のオーケストラ版ということで

 

 

 

私たち夫婦はSigur Rosが大大大好き

 

いや、私以上にパートナーの方が身を捧げるんじゃないかってほど惚れ込んでいる

 

 

そんな私たちは5年前アイスランドを訪ねたこともある

 

 

彼らや、アイスランドの他ミュージシャン、例えばBjork、Asgeir、mumなど

 

あちらの音楽に強く惹かれるところがあり、新婚旅行にアイスランドを選んだ

 

 

 

以前 ブログで触れたこともあるが

 

その旅行中、偶然にもJonsi「Go do」のロケ地と思われる場所へも行けた

 

 

現場では全く気付かなくて、

 

帰国ししばらくして写真を振り返り、彼のPVを眺めていたら

 

 

「なんか見たことある!」となり

 

その映像と写真を照らし合わせたら、間違いなくそこだろう、となった

 

 

< ご覧いただいたことある方へヒント:

 

海面、黒い浜辺と洞のようなところです >

 

 

 

あちらへ行ってみて、彼らの生み出す美しさ、荘厳さ、哀愁香るエネルギーに心底納得ができた

 

 

アイスランドの人々は過酷な環境下に身を置きながら

 

その島国の極々一部へ暮らしている

 

自然の大いなる力と体の上で、小さく身を潜めるように、逞しく生きているのだ

 

 

毎日のように通り雨があり、一日青空が覗く日は少なく、とにかく常に寒い

 

絶えず地震が起こり、つい最近までも活発な火山から噴き出たマグマが街を脅かしていた

 

そんな出来事が珍しくない国

 

 

随分前には、火山の巨大噴火、噴煙により

 

自国と、更にはヨーロッパ諸国の空港が閉鎖されたこともあった

 

 

トルコへ一人旅をした際、その事態に巻き込まれた日本人女性と出会い

 

エピソードを教えてもらったことがあって

 

いつ帰国できるかも、飛行機の席を確保できるかもわからない毎日を

 

ただ不安に、ただ信じながら、暇を持て余しながら1週間ほど待ったと聞いた

 

午前中がジャッジの瞬間で、そこで確保できなければ

 

また翌日空港のカウンターへ向かい、混雑に埋もれながら必死に並ぶ、という地獄絵図

 

飛行機が極端に減便され、日本行きも同じく

 

帰国したくてもできない人が殺到するためだ

 

 

そんな思い出話を聞いていたから、アイスランドで過ごす日々はドキドキもあったけれど

 

この世のものと信じがたく美しく険しい地に圧倒され、感動の方が遥かに凌駕していた

 

 

 

 

...と、旅話はこれくらいにしておいて

 

 

     

コンサートは、実は私への誕生日プレゼントにと

 

夫がチケットや宿を手配してくれた

 

最高です 最高に幸せ

 

 

 

 

会場はガーデンシアターで、前回ここへ来た時はBjorkの

 

それまたオーケストラver.だった

 

色々な思いが巡る

 

 

近くへ宿を取っていたので先にチェックインし、早めに現地へ到着

 

敷地内のショッピングモールで時間を潰していると

 

Sigur Rosの曲がBGMとして流れていてとても粋だった

 

 

振り返れば、確かにBjorkの時も彼女の曲だったかもしれない

 

 

 

 

 

着席しステージを冷静に眺めてみる

 

フルオーケストラセットでそれだけで胸が高鳴る

 

 

 

 

演奏が始まり、次第に彼らが現れ合流

 

 

 

もう、鳥肌ぶわわわわ

 

ヨンシーの声聴いた途端に、ここは現実と信じられないような

 

待ってたーー!!!の興奮もあるし、その美声に感極まって涙が溢れ出た

 

ハンカチで鼻を抑え、きっと顔も真っ赤だったんだろうな

 

目の前で起こっていることが「夢かも?」なんて感じること人生でそうそうないけれど

 

 

今回ばかりは違った

 

この時空間に埋もれ、今息絶えても悔いはないと思えた

 

 

この感動はどうにも言葉では表し切れないし、伝えられない

 

味わった方だけが纏うことのできた救いと抱擁

 

 

途中、休憩を挟み2部制

 

 

いつまでもこの心地に揺られていたい、耳を奪われていたい

 

 

20曲ほどの公演はあっという間だった

 

それでも、まだまだ足りないけれど、申し分なく満たされ幸福感いっぱい

 

 

 

 

 

彼らの曲は決して明るく華やかではない

 

 

負を連想させるような、生き物や社会の脆弱さが垣間見えて感じられる

 

私は霧の中で彷徨っている錯覚にも襲われる

 

ただ、なんだか、その朧げで、虚無感の中が居心地いい

 

生死の狭間といったら暗いように捉えられるかもしれないが

 

あらゆる概念や記憶を差し置いて、ただ、許しを得られる時間へと

 

彼らが手を広げ迎え入れてくれるのだ

 

 

 

人という生き物を感じる 強く、弱く、底知れず

 

 

 

一生の宝物をありがとう

 

 

 

 

そして、ここでの体験が

 

今まさに制作しているアートワークの火付けとなっている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

photo/ ゆりかもめの最前席にて